※本製品は生産終了につき、販売していません
WACジュニアに使用されているフィルターの詳細をご説明します。
吸入口から順に、プレフィルター、HEPAフィルター、WACフィルターとセットされています(HEPAフィルターとWACフィルターは一体型のユニットとなっています)。プレフィルターは、一般のエアコンにも使用されているフィルターで、空気中の粗いゴミやホコリを除去し、HEPA、WACフィルターの目詰まりの抑制の働きがあります。
プレフィルター
HEPAフィルターとWACフィルターの詳細につき、下記に説明いたします。
HEPAフィルター(High Efficiency Particulate Air
Filter)は、空気中に含まれる非常に微細なホコリや花粉、浮遊するカビ、ハウスダストなども捕集できる高性能フィルターです。
※HEPAフィルターにより捕集できる粒子は0.3μm以上の粒子となります。
※中国の大気汚染で問題となっているPM2.5も捕集できます。
花粉が10μm~100μm程度、ダニの死がいやふん・カビの胞子・細かな砂ぼこり・ハウスダストなども2μm以上の大きさのものが中心ですので、室内にあるアレル物質や目に見えない微細なホコリなども捕集できます。
0.3μm(0.0003mm)以上のアレル物質などを捕集
WACフィルターは活性炭素繊維を用いた世界初のフィルターです。放射性物質等を吸着させる細孔の口径が均一なミクロポア〈Micro pore〉になっており、ガス状のヨウ素などを吸着させます。
放射性ヨウ素ガスの捕集
放射性ヨウ素ガスが無機か有機かでその吸着される度合いは大きく異なります。無機のヨウ素ガスは上述のミクロポアによる物理吸着でほぼ活性炭素繊維に吸着されますが、有機ヨウ素ガスはほとんど吸着されません。
放射性有機ヨウ素ガスに対しては、非放射性ヨウ素を含んだ化学物質を活性炭素繊維に添着し、細孔を触媒とする化学反応により放射性ヨウ素ガスを捕集します。これを化学吸着といいます。WACフィルターによる放射性ヨウ素ガスの吸着・捕集は物理吸着と化学吸着の両者を利用して行われます。
活性炭素繊維(TEDA添着)性能試験
ASTM D-3803の趣旨に沿った試験を米国NUCON社に依頼
日本には放射性物質除去用活性炭の性能規格はなく、米国の「原子力グレード活性炭の試験方法」ASTM D-3803
が世界基準(ただし、初期効率のみ)となっています。WACフィルターを米国NUCON社にてASTM性能試験を行った結果、ASTM捕集効率99.43%以上という高性能が実証されました。
製品寸法 | 幅342㎜×奥行171㎜×高さ550㎜ |
製品重量 | 約5.2kg |
電源 | AC100V |
適用床面積 | 最大15畳 |
コード長さ | 約1.5m |
周波数 | 50/60Hz |
消費電力 | 急速;41W、標準;33W、静音;25W |
風量 | 急速;1.2m3/分、標準;1.0m3/分、静音;0.8m3/分 |
付属品 | HEPA&WACフィルターユニット、プレフィルター、リモコン、乾電池(単4型2本) |
通常状態で空気中に浮遊する放射性物質としては、カリウム-40(K-40)、ラドン-222(Rn-222)、トロン-220(Rn-220)、アクチノン-219(Rn-219)などが考えられますが、大部分はラドン、トロンです。その空気中の濃度は場所、季節、時刻により大きく異なり5~100Bq/m3程度です。一般にマンションなどのコンクリート建造物は木造の建物内より高く、換気の悪い室内ほど濃度は高くなります。
原水爆実験及びチェルノブイリや福島の原子力発電所の事故により、ヨウ素-131(I-131)、セシウム-134(Cs-134)、セシウム-137(Cs-137)、ストロンチウム-90(Sr-90)、セリウム-144(Ce-144)などの放射性物質が大気中に放出されました。その放射性物質がどれほど室内の濃度を高めるかは、放出の規模、放出源からの距離、風向きなどにより一概には言えませんが、いずれにしても事故や実験の影響によって、室内の放射性物質濃度は高くなると考えられます。
通常の日常生活において室内空気を吸い込むことによる被ばく線量は1.3mSv/年(世界平均)です。この程度の被ばくではガンや遺伝的な影響は表れないという説もあり、それほど気にするものではないかと思います。
しかし現時点においては、それらの影響は「どんなに少ない被ばくでもその量に比例した確率で発症する影響(専門用語で確率的影響)」と考え、防護することになっております。従って通常時においても空気中の放射性物質の除去は好ましいと考えられます。
また原水爆実験及びチェルノブイリや福島の原子力発電所の事故により、放射性物質が大気中に放出された現在、その放出量や事故現場からの距離にもよりますが、快適な環境を手に入れるためにも、放射性物質の除去は必要と考えられます。
フィルター掃除はプレフィルターのみ行って下さい。付属の手袋もしくはご家庭にあるゴム手袋等を使用して、1週間に一度、前面パネルを開けて掃除機のノズルでプレフィルターに付着している埃を吸い取ります。埃の量が少ない時は場合は1ヶ月に一度を目安に掃除して下さい。掃除機で取れない埃(汚れ)は、水洗いして下さい。プレフィルターは手前に引くと外れます。四隅の留め具にはめ込み、しっかり固定して下さい。掃除機にて吸い取る際は、プレフィルターの網を破損させないよう御注意下さい。
HEPA&WACフィルターユニットは1年ごとに交換してください。その間、掃除等のメンテナンスは不要です。
HEPA&WACフィルターユニットは、プレフィルターを外し上部の開口部より手前に引き出すと簡単に外れますので、新しい交換用フィルターユニットを取り付けて下さい。その際、フィルター面を間違えないようにして下さい(薄グリーン面が前面になります)。使用済みとなったフィルターは製品付属のチャック付ビニール袋に入れて、一般ゴミとして捨てて下さい。
HEPA&WACフィルターユニットに貼ってある薄グリーンの不織布は剥がしたり破ったりしないで下さい。HEPA&WACフィルターユニットにはTEDA(トリエチレンジアミン)という添加剤が添着されています。絶対に素手で触れないで下さい。直接触るとかぶれる事があります。
HEPA&WACフィルターユニットの交換時期は1年ごとです。
トリエチレンジアミン(TEDA)の化学式はN(CH2CH2)3Nで有害物質ではありません。またWACジュニア稼働中にフィルターから離脱し、室内に放出されることはありません。ただ直接TEDAに触るとまれにかぶれることがありますので、素手では絶対に触らないようにして下さい
株式会社ワカイダ・エンジニアリングは、1993年より東京都板橋区で活動している、放射性有機廃液焼却装置や、遠赤外線動物乾燥装置などの製造メーカーです。放射線管理分野では、全国の大学、民間企業へ豊富な納入実績があります。
2000年より、東洋紡、東京大学と共同で、活性炭素繊維の研究を開始し、放射線管理区域で使用される排気フィルタへの利用を推進してきました。2012年2月より、家庭用空気清浄器WACジュニアの販売を開始しています。